あなたの給与

あなたの給与は一体どこから来るのでしょうか?

あなたの給与または昇給をコントロールするのは、本当に顧客なのだということを覚えておいてください。

あなたの将来ではありますが、それを決定するのは顧客です。

あなたの頑張りもありますが、顧客との関係性がより重要です。

 

ある大企業が、全従業員に対してアンケート調査を行ないました。

質問の1つは、「あなたの給料はどこからもたらされますか?」です。

80%以上の人がその会社の経理部だと答えました。

約10%の人が取引銀行だと答えました。

 

誰でもが売上げと利益がなければ給与が支払われないことは、もちろん知っています。

そして、売上げと利益は顧客からもたらされます。

他のどこからでもありません。

大企業になればなるほど、この当たり前の意識は薄れてゆくように感じます。

あなたは仕事をしていて、ストレスと緊張で、爆発したことはありませんか?

仕事はうまくいかず、我慢の限界を超えそうになった事もあるでしょう。

それを取引先や顧客にぶつけてしまう前に、自分の給与をコントロールしているのは、まぎれもなくその顧客であるということを思い出すとよいでしょう。

 

お客様は神様だと言うつもりはありませんが、これは一つの真理です。

もちろん顧客の社会的な倫理観を逸脱するような要求には屈してはいけません。

このようなことを言っているのではありません。

普通に考えて、顧客があなたの給与を握っているのです。

 

このことを忘れずに仕事が出来れば、大方の仕事は問題なく回ってゆくはずです。

お金に対する罪悪感を無くす方法

あなたは設計料を受け取る時に、罪悪感がありませんか?

少しでも感じるならば、あなたは、自分のサービスを心の底から愛していないのかもしれません。

ほとんどの建築士は、長年仕事を続けていると、仕事に対する設計料が少なく、不満を感じてゆきます。

それは当然の事で、設計士という仕事の本質は、マンパワーの仕事だからです。

よって拘束期間は長く、且つ失敗は許されず責任は重いのです。

しかし独立したての頃など、初めのうちは罪悪感があるかもしれませんね。

そのような方は、一度、人は何のためにお金を払うのかを真剣に考えないといけません。

人は一般に、どんなものにお金を払うと思いますか?

たぶん以下の5つに分類できると思います。

 

  1. 時間
  2. 信用
  3. 興味(関心)
  4. 才能
  5. 名声

 

この5つのどれか1つでも提供できれば、お金を受け取ってよいのです。

あなたの設計料が、建築士としての設計と監理に向けた時間と、信用があれば、受け取るに値します。

これをあなたなりに十分言語化しておくことをお勧めします。

例えば、

  • 設計期間は約1年を費やし、実働○○時間かかった
  • 今まで取得してきた資格や建築の知識という信用もあります
  • 実際の設計実績△△件あり、それに伴う才能があります
  • □□設計では、または××県では・・・・建築家として有名(名声)

商品やサービスは、その人が提供する「愛情の仮の姿」をしていて、その対価であるお金をもらう。

そのもらうお金も、言ってみれば、「愛情の仮の姿」なのです。

結局のところ、商品やサービスと言う「愛情」を提供し、お金と言う「愛情」で返してもらっています。

提供する価値や、お金が「愛情」に行き着く限り、どんな人でも生み出すことが出来ると思いませんか?

人が欲しがる価値より、より大きな「愛情」を提供すればするほど、その対価として、お金がいただけるのです。

結局、愛情あふれる人の方が、お金持ちになるということです。

あなたにも一度はある?設計料が頂けない理由

今までの経験で、2,3回の配置・平面のラフプランを作成した後、設計・監理報酬の金額をクライアントに提示すると、感触は良くても、それ以後音信不通になることがある。

知り合いの事務所経営者に聞いてみても、これはよくあること。

このようなクライアントは、他の事務所やハウスメーカーなどと天秤にかけながら、うちの事務所に来ていることがほとんどだった。

 

事務所を始めたばかりの方は、クライアントの本音をすばやく判断しなければいけない。

これが出来ないのは、私たち自身が、クライアントを逃してはいけないという、弱い心が、目を曇らせている。

つまりプランを無料で作成をさせている。

心の弱さを無くし、反省しないといつまでたっても同じ過ちを繰り返してしまう。

基本的には、図面を描かないと契約してくれないクライアントに対しては、仕事を引き受けない。

最初から契約や報酬の話をした方が、仕事として継続することのほうが多い。

やはり「ど頭」で、こちらの建築設計者の業務内容を説明し、設計に対する姿勢を示す。

ここに数時間をかけて、きちんと十分説明をする。

 

全体計画をまとめる能力の価値や、設計者と施工者の立場、コスト感覚などに理解してもらう必要がある。

そしてクライアントが漠然と抱えている不安を解消して、初めて話が前に進む

契約前には、相談までとし、実際の線はひかない(設計はしない)。

つまり我々の仕事はアイデアの提供が仕事であるという考え方も受け入れてもらう必要がある。

それでもプランで判断したいというクライアントに対しては、設計予約申込書をいただいている。

これは着手金の一部となり、本設計に充当する。私は金額を10万円に設定している。

これでクライアントの本気度が分かる。

この書類のフォーマットは親友の工務店社長からいただいたもの。

工務店だと、設計事務所とは比べものにならないくらい、頓挫する計画が多いと聞くので、必須の書類なのだろう。

設計予約申込書が欲しい方は、メールください。送ります。

普通は、数回の打ち合わせを重ねて、互いに納得できる状態になってから契約するようにしている。

契約書には、着手金の支払い後に業務開始をすることを記載し、口頭でも伝える。

契約書を交わしても、着手金が入金されるまで業務に取りかからない。

またクライアントから、銀行融資などに必要な設計図書を求められることがある。

そんなときは、概算見積もりとラフスケッチを提出する程度にとどめている。

計画段階では単線のラフスケッチと概算見積書があれば、銀行からの融資の手続きには十分対応できる。


それ以上の書類を銀行や発注者が要求した場合、書類作成には費用がかかることを説明する。

報酬について定めた契約書を受け取るまでは作業できないと伝える。

これらのことでほとんどうまくゆく。

あとは自分がクライアントを見抜く力を時間をかけて上げてゆこう。

こればかりは、いろんな方と知り合って、関わりあってゆかないと備わってゆかない。

 

悪魔の辞典

アメリカ人アンブローズ・ビアスが1911年に書いた辞典に、「悪魔の辞典」があります。

「悪魔の辞典」と表されていますが、これは悪魔について書かれているものではありません。

この辞典は、日本では、芥川龍之介の魅力的な紹介によって広く知られました。

今でもネットで検索してもらえれば出てくると思います。

ビアズは、この辞典で様々な単語の再定義を行っています。

その定義が痛烈な皮肉やブラックユーモアに満ち溢れ、風刺があってとても面白い。

たとえば「建築家」は・・・・・・・・・・

あなたの家の設計図をかくと同時に、あなたのお金を引き出す設計図をかく技術者。

となっている。

お金を引き出すことに技術があるとすれば、逆に、私たちにとっては、とてもありがたい。

設計図を描くことと、その対価である入金に関して、どちらも技術があれば、お金持ちになれるという事だ。

設計料は高額商品だ。

そして現代では、新車の車の代金とさほど変わりがない。

しかしこの2つには、大きな違いがある。

建築家が、お金を引き出すための一番の壁は、設計監理というものは、目に見えない事だ。

物質至上主義では、目に見えないことにお金など払いたくないという人と多いだろう。

これはコンサルやコーチなどの職業と似ている。

なので、こちらからクライアントに営業でもかけようものなら、逆に信用を失いかねない。

やはりお金を引き出す技術が必要なようだ。

ならばこれをどうやってクライアントに理解し、納得してもらうか?

これが出来るかできないかで、事務所が儲かるか、儲からないかが分かれる。

将来的には、安定経営できるかできないかの大きな違いを生む。

もちろん図面を描く技術は、当たり前に必要なのだが。

ビアズは、そのどちらも必要だと言っているのだろう。

たぶんそのお金を引き出す設計図をかく技術とは、建築家の「マーケティング」の事だろう。

私たち設計者は、常にマンパワーの仕事を強いられている。

多分人生の大半を設計監理業務に費やしてゆく。

そこでその対価を手にできなければ、続けてゆくことさえできない。

あなたが設計した設計図を誇り思い、そして堂々とその対価をいただこう。

そのための「マーケティング技術」も設計図を描く技術と同時に必要としていることを肝に銘じよう。

私たちは設計に関する技術が向上すれば、人生が全てうまくいくと錯覚してしまう程、「設計技術至上主義」にとらわれている。

間違った思考の一つに、クライアントに設計の技術を売り込めばうまくゆくというのがある。

しかし技術を売り込めば売り込むほど設計料は取れない。

設計という当たり前な技術ではクライアントは納得しない世の中になっている。

免振工法なり、外断熱、OMソーラーなども、クライアントにとってみたら、技術のオプションでしかない。

オプション費用が上乗せされるだけである。

我々建築士は、このような営業的付加技術で仕事を取る工務店などに追随していってはいけない。

我々はクライアントの感情を刺激して勝ち取るしかないのだ。

ならばその感情を刺激するものとは何か?

今は、個々のクライアントから得た、様々な答えだということしかここでは言えない。