耐震診断の作業は、大きく分けて2つあります。
1つは現場の調査です。
もう一つは、図面の内容から、建物の各種数値を入力してゆく作業です。
耐震診断の数値としては、柱の本数や階高などの基本的な数値だけではなく、柱内部の鉄筋本数、鉄骨の形状なども入力してゆきます。
この診断計算の中には、現場調査で得た結果の数値も入れてゆく事になります。
現場で得た、ひび割れの数と、コンクリートの中性化から導き出した、経年指標Tです。
これには、コンクリートサンプルを採取し、それをつぶして硬さを見るのと、コンクリートにフェノールフタレインを塗布して中性化を調べた数値から出します。
なので現場調査をしないとより正確な結果が得られませんし、現場調査結果が出ないと、最終的な計算に入れないのです。
コンクリートサンプルの採取の仕方ですが、コア抜きという方法を用います。
基本的には共用部の壁から採集するのですが、始めに鉄筋や水道管がないかをレーダーで調査した後、位置を決めて、コア抜きを行います。
コア抜きの機器を設置するためには10mmのホールアンカーで固定するために、壁に穴が開きます。
コア抜きの穴の径は80mmで、深さは100mm。穴あけには水が必要になります。
その後この穴は、無収縮のモルタルで埋め戻してから、壁と同色で塗装します。
このサンプルを試験場に搬入し、強度ど中性化を調べるのです。
コンクリートは基本アルカリ性です。アルカリ性なので、内部の鉄筋がさびないのです。しかし中性化が進んでゆくと、内部の鉄筋がさびてしまいます。
中性化が進んだコンクリートでは、経年指標が下がってしまいます。
コンクリート色になってしまっている部分は、中性化が進んでしまっている部分です。
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