建築士として独立する時の注意点
あなたは建築士とはいったい何だろうと考えてみたことはありますか?
建築を設計して、監理をするだけと言うのなら、だれでもすぐに成れます。
もちろん建築士の資格は取らないといけませんけどね。
しかし事務所経営者と、会社に所属する建築士とでは大きく違います。
事務所経営をしている人のほとんどが、自分が求めているものや、それを達成する方法をおろそかにして、あまり明確にしないまま仕事をしています。
それゆえ理想とする事務所像を達成できていない人がほとんどです。
それは何故でしょう。
建築士を目指す人の多くがもともと持っている要因によって、あなたの成功を妨げていると言ったら、あなたはどう感じるでしょうか?
今回は事務所の継続や成功を妨げる要因は、あなた自身が要因であることを明らかにしたいと思います。
そこで、あなたの建築士としての人生においてどのような資質を伸ばすことが出来ればよいのでしょうか?
より多くの資質を持っていればよいということではなく、特性によってあなたの収入は大きく影響するのです。
そもそも建築士になる人は建築が好きでたまらないと言った資質があります。
それはたぶんデザインなのか?設計なのかどちらかではないでしょうか?
普通、それらの業務が好きでないと、徹夜して図面を仕上げようなどとは思わないでしょう。
建築士として成功したいのであるならば、大手建築事務所や建設会社の設計部に所属してそこで腕を磨いてゆく事が一番です。
しかしその後独立して建築事務所を経営する立場となると、いろいろなものが真逆になります。
今まで好きだったデザインに没頭できる時間が極端に少なくなります。
一方、営業仕事や契約すらできない長期戦の打ち合わせ、雑用なども増え、お金や時間などのリソース不足も感じるでしょう。
つまり大切な資質としては営業で、これが好きでたまらないし、営業センスも無いといけないのです。
すぐに契約までもっていかないと事務所の存続までもが危ぶまれることもあるのです。
普通、建築士であれば、営業が面白くてたまらない、そして営業センスがあるという人は少ないと思います。
また事務所独立間際であれば、すぐに何億と言った建築プロジェクトを受注することは普通には出来ません。
これが出来る人は、かなりの政治力に長けていると思います。
普通、受注したくても、なかなかできないものです。
世間の信用、信頼が積み重なった時、初めてできるものなのです。
ならば日々の仕事の中に、営業作業をシステムにして組込むとか、それが嫌ならいっそ営業会社に発注するかしないといけません。
嫌かもしれませんが、細々と住宅リフォームから初めないといけないかもしれません。
さらにさらに理想の建築事務所にするためには、事務所や、その管理建築士が持たないといけないものがあります。
特にこれから建築事務所を始められる方は、是非とも肝に銘じていただきたいものです。
これから話すことは、もちろん最小限の設計監理スキルや知識は身につけて上でのことです。
事務所が存続し続けることが出来るのは、常識や普通の感覚ではないもの、他の事務所との違いやカラーと言ったものです。
これが無いと営業する時に明確に違いを出すことが出来ず、その他大勢と一緒になって埋没してゆく事になってしまいます。
また独立初期には度胸や無謀とも思えるプライドもなければいけません。
例が悪いですが日本でも有名な、ある事務所では、いまだに所員を給与無しで雇っています。
つまりリソースの無い時でさえ、大きなプロジェクトが出来ると言える度胸です。
言い換えれば、大風呂敷を広げることが出来なければいけないのです。
もし独立したてでも縁あってきた大プロジェクトであれば、臆せず受けてしまいましょう。
受けでからいろいろ考えて、実践していけばいいのです。
今日のまとめ
- 独立当初の建築事務所は、営業を第一に考え、営業システムをインストールするべし。
- 独立当初だからこそ事務所のカラーを出して、他の事務所との違いを明確にしておく。
- 手に負えなさそうな大きなプロジェクトでも、度胸で受けてしまえ。受けてから考えよ。