建築事務所をしていると、設計業務が日常化して、クライアントの言いなりになってしまうことがある。
そうなると時間が無いなどと言い訳をする自分がいたりする。
そんな時は、心を鬼にして、そのクライアントを後にしないといけない。
そのままでいると、自分が腐ってきてしまう。
建築家を目指すならば、やはりクライアントとさよならをしてでも、デザインを探求する道を歩まないといけない。
それならば、いいデザインとはなのか?
逆に悪いデザインなのか?を知らないといけない。
それが分かる簡単な方法がるとしたら、身につけておかないといけない。
つまりは自分で納得できる「デザインの定義」をしておかなければいけない。
過去の優れた芸術などには、何が詰まっていたのか?
絵画であれば、ジョット、フラ・アンジェリコ、ボッテチェルリ、レオナルド・ダ・ビンチ、ミケランジェロ、ラファエルロ、フェルメール、シャルダン、ゴッホ、ピカソなど錚々たる面々の人がいる。
これらの人は、なぜ有名になったのか?
これらの人たちが歩んだ美術史には、ゴシック、ルネサンス、バロック、ロココ、新古典主義、写実主義、印象主義、表現主義、フォーヴズム、キュビズム、抽象芸術などの変遷がある。
これは何を意味しているかと言うと、今までの既成概念を破壊して、新しい定義をしたということ。
それらは今までの考え方、既成概念に対して、つまらなさ、飽き足らなさや、不満などを発見したからこそ、革新を生むことが出来たのではないか?
簡単に、ちょっと暴力的に言ってしまえば、「反抗的な人ほど成功した」歴史なのではないか?
反抗的な資質は、「成功要因」になっていたと思う。
普通、社会的に反抗的な人は、社会通念上受け入れがたい。
つまり社会に順応できない。
しかしこの相反する2つをうまく処理した人だけが成功できる。
これはどんなビジネスにも当てはまる。
建築界でも同じ。
今、AIを建築界に導入しようという動きがある。
しかし多くの人たちは、今までの設計の一部を自動化し、助けをするものとしてしかとらえていない。
これでは大きな成功はない。
今までのCAD会社の開発したソフトの延長線上でしかない。
現状の問題を列挙し、それをきれいさっぱり解決するという目的で考えると、
今の設計と施工の問題は、
- 建築事務所(建築家)がどんな設計をするかわからないので、建築事務所を検討しないといけない。
- とにかく設計に時間と労力がかかりすぎる。
- 設計と施工に関して、それぞれスキルの習得までに時間がかかる。
- 設計・施工、共にコストがかかりすぎる。
- クライアントが竣工間際になるまで、理解できないことがある。
- 設計するまで建物が生む厳密な収益性が分からない。
- とにかくブラックボックス化している。
- 一般人には、すぐに理解できない。
- 一般人には、活用できない。
AIを活用すれば、
建築を知らない人でも、土地の位置・大きさとその周辺データがあれば、法規にのっとった、ベストな建築種が分かり、簡単に設計・3Dパースまで出来て、コストと施工期間が分かるというような、「プラットフォーム」を作ることは可能だと思う。
このような業界構造自体を変革するような、「プラットフォーム」ならば、世界展開できるかもしれない。
法規的なチェックをどうするかの問題は残るが、世界の人が活用したいと考えてもおかしくはない。
木造軸組みをメインに考えるのであれば、東南アジア全域をターゲットにした、プラットフォームも出来る。
2“×4“ならば、アメリカ、南米全域のプラットフォームに出来る。
また今、イギリス、アメリカなどではすでに住宅を3Dプリンターで造る人が増えている。
やはり3Dプリンターに合った建材にしないといけない。
https://www.youtube.com/watch?v=iwN66yqTttk
https://www.youtube.com/watch?v=8lgrcQrDymk
小さな住宅であれば、コストは40万円で、24時間以内で建てられている。
3Dプリンター住宅は、Youtubeにいろいろとアップされているので、そんな遠い未来の話ではなく、4,5年で本格化していきそうだ。
頭の固い国交省では、当分、耐火建築、防火建築、構造計算などでクリアさせなくするかもしれない。
これには当然既存の建設会社が圧力をかけてくることも予想される。
とにかく、これら「プラットフォーム」の作成と、「建築材料の変化」と、「3Dプリンター」の改良によって、建築業界構造を大きく変える時が迫っているように思う。