最近コロナ後の世界を考えることが多い。

そのため藤原直哉さんのYouTubeなどを見ると本当に考えさせられる。

経済がこれだけ崩壊すると、自分たちも新しいチャレンジをしなければいけないと思ってしまう。

しかし今までと同じ仕事のままで、自分から機会を創り出せていない。

 

藤原直哉さん曰く、「これからは自分がもっている得意技、熟練の技、根源的な力を出して、切り開いてゆくしかない」らしい。

 

これは今までの起業・企業とはずいぶんと違う。

今までの社会ニーズを見極め、企画書を作り、融資を受け、ビジョンを掲げて、半期後には売り上げを1億達成させる、というようなものではないように思う。

これから必要なのは、職人のような仕事なのか?と一瞬思ったが、それだけではない。

やればやるほど体が鍛えられ、技が身に付く仕事が、職人の仕事。

職人が、頭を使わないと言っているのではないが、頭をより多く使う仕事も含まれているように思う。

 

これらの得意技や、熟練の技、根源的な力の出し方は、「ナリワイ」(生業)で始めるのが安全だと思う。

人は多面的で、特徴や才能は一つだけではない。

なのでこれからの時代は、一人が「ナリワイ」をたくさん持つといい。

いままでの起業家が「企業」を立ち上げてその枠組みのなかで事業を行うのに対し、これからは、まず「ナリワイ」をつくり、それを実施するうえで必要が生じれば企業を作る。

そうでない場合は個人の事業として行ったり、任意団体として活動したりもする。

少なくとも短期間で大きな利益になる仕事ではなく、ゆっくり育てていく必要もある。

こうした仕事は短期的な収益化を重視する企業にはチャレンジできないし、専業にするには向かない。

個人が複数の仕事で生計を立てる「ナリワイ」には適している。

 

私などは、職人の子供なので、大工見習ぐらいはできる。

実際自分の家の塗装を塗り替えもした。

塗装のセルフビルド協会などを立ち上げて指導、講習会など開いてみたい。

神社仏閣などのツアーもしたい。

このあたりで、一番好きなお寺は、虎渓山永保寺なので、名古屋からツアーを組んでみたい。

建築関連書籍の販売もしたい。

建築士養成講座なども開いてみたい・・・。

 

このように、「ナリワイ」は確かに「起業」の一つの形であるが、 従来の「起業」のイメージから大きく逸脱する部分を持っている。

「企業」であれば、不確実な世の中にあって失敗したときの代償が大きい。

一方「ナリワイ」は自分の生活を賄う仕事、もっといえば「自給」や「自活」の延長で考えたい。

そして向き不向きもあるが、ある程度訓練を積めば基本的にはある程度、誰にでもできる仕事だという点がよい。

だからこそ今までの「起業」について改めて考え直すヒントを含んでいると考えられる。

特にコロナ後の社会に対しては、この「ナリワイ」から創める事は、とても有効のように思う。

 

コロナ後の住宅の変化を考える