今回、中京祇園街の若房を調査して、あらためて感じた事があります。

 

現在は住まいとしているそうですが、それは古いただの建物や住まいではありません。

古い建物は、歴史や文化が詰まった宝物です。

かつての職人が腕を振るい、技を競い合って造られています。

 

門や塀で、都市化の喧騒を遮断して、内部は草庵風の作りにしています。

この草庵風の造りにより、一時、故郷に帰るような、心持にしてくれます。

内部では、会話が弾み、十分に楽しむことが出来たと思います。

草庵風と言えば、特に網代です。

この建物1件で見られる多種多様な網代は、日本全国でもこの建物ぐらいでしょう。

また擬木の数々も、本物の木としか見えず、触らないとわかりません。

 

またそれぞれの壁や床には、過去の人々の生活や思いが息づいています。

この場所には、今現在使用している人と家族全員の物語も刻まれていると感じました。

古い建物に住むことは、ただの住まいを超え、文化の一部となり、歴史を紡ぐ役割を担っています。

 

維持管理の負担、安全性への懸念、文化的価値と機能性のジレンマ、最新住宅へのあこがれ、そして地域とのつながりがどんどん希薄になり、過去となって忘れ去られてゆきます。

これらは、決して一人で背負うべきものではないと考えています。

 

計画的なメンテナンスや専門家の評価、リノベーションや地域イベントへの参加など、支えとなる方法もたくさんあります。

古い住宅の良さを最大限に引き出し、自分らしい快適な空間を作ることもできます。少しずつ行動を起こしてみてください。

 

古い住宅に住むことは、時にはチャレンジングかもしれません。しかし、その中には深い感動や愛着があり、感じていないかもしれませんが、あなたの人生に豊かさをもたらしてくれてもいます。歴史を受け継ぎ、次の世代へとつなげていくことは、あなた自身の手に委ねられています。

 

あなたの住まいは、あなたのストーリーの舞台であり、未来への架け橋です。大切に育ててください。

そして、私たちも応援しています。

一緒に新しい物語を紡いでいきましょう。