私が独立間もない頃、どうしてもよく分からないものがあった。

それは、電気設備

その当時、私の事務所は、電気設計と設備設計を外注していました。

 

皆さんなら現場で迷ったなら、すぐ電気・設備設計者に聞けばいいのにと思うかもしれない。

またはスマホでググればいいじゃん!と思うかもしれない。

しかし当時、スマホや携帯など無い時代。

私も現場監督と職人の前では、かたくなに威厳を示さないといけないなどと変な肩ひじを張っていました。

今なら話してもいいと思いますので、正直に話をしますと、設備や電気に関しては、一抹の不安を抱えながらしていました。

 

設備はまだ何とか理解できるのですが、問題は電気です。

 

例えば電気の第1柱でのMOF,PCTは違うのか?

財産分界点・責任分界点はどこ?

そもそも何でこんなにスイッチをたくさんつけなければいけないの?

スイッチはDC、MCB、ELBなどいろいろな種類があり、どこでどう使い分けるの?

配線も100sq、38sq、耐熱Hvvf?、VVF、VVC等種類がたくさんあり、現場から捨てられた配線の余りを持ち帰り、サンプルにして集めていました。

ハンドホール内の角度は、135度まで?とにかく疑問だらけでした。

 

そんな日々を過ごしながら、良い方法はないかと考えあぐねていた時、先輩建築士から教えてもらった本が、

「建築設備読本―建築技術者のための分かる設備」

「建築電気読本―建築技術者のための分かる設備」井上博著です。

 

この本のおかげで、私は雲が晴れたように、いろんなことの理由が分かるようになり、現場での監理が面白い様になりました。

そして、ケーブルの太さをはかる、ケーブルゲージなるものがあると知り、さっそく購入。

現場での仕様の適合など、安心してできるようになりました。

その後、電気テスター、アネモマスター、塩素計測器等々、購入してゆき、監理が徹底できるようになりました。

この本は、読本とあるように、読み物風に作られていて、写真も多く、電気・設備技術者以外でもわかりやすいです。

また設計の原理原則を理解させてくれるものです。

残念ながら絶版で、amazonでは、2020年4月現在、

電気読本が27,000円、

設備読本が6,500円ぐらいと高額です。

やはり価値ある本は、購入者が後を絶たないのだろうと思います。